KKの辞書

「一歩先行く辞書」

研究をやるなら、知らないと始まらない「研究力」の話

本記事は研究をこれから始める、もしくは始めたばかりの人には必ず読んでいただきたいです。

本記事を読んでくれている方はきっと、研究に向き合っていきたいと思っている方だと思います。そんなあなたがやみくもに研究をやって、時間を浪費しないように「研究力」という指標を記していきたいと思います。

 

本記事を読み終えた後、「研究力」を再確認し、どんな研究者になりたいかを考えて、何を伸ばしていくのかを決めていってもらいたいです。

 

※私は現在M2のひよっこですが、読んで損はさせませんし、皆さんの思考の一助となれば幸いです。あと、出展は私です。

 

 

研究力とは

結論として、

「研究力」は以下の4つの部門に分けられます。

 

1.研究主要能力

2.コミュニケーション能力

3.知識

4.実験スキル

 

4つを見て、どうでしょう?

ちなみに私はどれも大切ではありますが、1から4の順で大切だと思っています。

まずはそれぞれを細分化して説明します。

 

 では、1つずつ構成を分解していきますね。

実際には、下記の例示は多少被っているところも出てくるかもしれないですが、

だいたいのイメージをつかんでもらえれば良いと思います。

 

1.研究主要能力

研究主要能力・・・構築力、文章力、発表(伝聞)力、言語能力(特に英語)、デザイン力、(突飛な)発想力、エクセル力(プログラミングでも可)、情報収集能力、論理的思考力、指導力、人員マネジメント能力、金銭マネジメント(学生レベルでも節約は大切)

 

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研究

それから、研究以外の他のことにも言えることなんですが、主要な能力として、

勝ち癖、チャレンジ精神、体力、計画性、やる気、忍耐力、効率化、習慣化などの「研究自体の運用能力」も含まれていくと思います。なんなら、他にも応用できるし、ないと研究が続かないと思うので、一番大事かもしれません。

 

2.コミュニケーション能力

コミュニケーション能力・・・表現力、語彙力、会話力、読解力(空気読め)、理解力、ユーモア、コミュニケーションを楽しむ力、協調性、傾聴力、ジェスチャー、礼儀、マナー、自信、清潔感、発信力、人脈

 

「コミュニケーション能力」が2番目であることに疑問を感じている人もいるかもしれません。私も自分がよっぽどの天才であれば、疑問に思っていたかもしれません。

しかし、研究のことだけではないのですが、一人で完結しないことというのは、誰かとのコミュニケーションによって発展していくものです。ゼミや学会で質問や指摘されて気づくことも多いと思います。そして、そのような他人からの意見は自分では気づけないものなので、非常に貴重なことだと思います。

 

そして、そもそもコミュニケーション能力が低いと研究室の中でも、相当苦労されると思います。ただでさえ、研究界隈というのはそういう気質だとされています。そういう中だからこそ、逆にコミュニケーション能力があることは大きなプラスに繋がります。

 

3.知識

知識・・・研究全般、教養、学ぶ姿勢、というかなんでも知ってないよりは知ってた方が選択肢ある

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知識

現在の情報社会において、知識に関しては、昔よりも価値は薄れてきていると思います。インターネットで検索すれば出てくること多くなりましたよね?

 

専門家は多くを知っている人と言うよりかは、多くの知識と経験をもつだけでなく、それらを活かして、深い洞察力を持つ人となってきていると思います。

 

それでも、知識の価値はなくなりません。なぜなら、知っているだけで有利になることがあるからです。詳しくは「知識」について記事を書きますので、そちらをお待ちください。

 

4.実験スキル

実験スキル・・・基礎、応用、専門

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実験

簡単に1つずつ説明していきますね。

 

「基礎」レベルは、学部低学年の学生実験のときの初歩で行う、各器具の使い方をイメージしてもらえるといいです(生命系ではメスシリンダーとかを使えるくらい)。このレベルを一言で言えば、知らない人は知らないしできないけど、知ってしまえば練習なくてもできるくらいのことです。

 

次に、

「応用」レベルは、学生実験で使う、クリーンベンチや遠心分離機などの汎用性の高いものでかつ、直接的にデータ取得には至らないようなものです。使用頻度が高いために、次の「専門」とは区別して認識しています。

 

「専門」レベルは、各種分析機器や数ヶ月から一年ほど練習が必要な実験です。

それ以外にも、工程が多い定量系の実験などの一朝一夕の練習でデータが取れないものなどもあります。

 

 まあ、実際はこれも3つが明確に分かれているわけではないのですし、

スキルの有無は定量的に存在するものです。

とにかく、実験スキルというのは闇雲に習得するのではなく、必要な時に使えるようになっていれば良いものです。職人を目指すのではなく、研究者を目指すならば、実験も大切ですが、それも研究の道筋を立てられてこそです。

 

以上の4つになります。

他にも細かいスキルはあるとは思いますが、メインとなるのは上記のものに集約されていくと思います。

 

さて、長くなりましたが、 ここからが本題となります。

大切なことは、あなたが「どこを伸ばしてどんな研究者になりたいのか」を定めて努力していくことにありますよね?

伸ばしたいスキルをなんとなくでも意識しておくことは非常に有効だと、私自身M2まで研究活動してきて実感しました。

 

研究力の効率的な伸ばし方

そこで、上記のスキルの伸ばし方も、大きく分けて2パターンあるので、紹介します。

 2パターンというのは「狭く深く型」と「広く浅く型」です。

 

「狭く深く型」は大学で研究していく、いわゆるアカデミアの方に多い印象、THE研究者といった感じです。上記の例示の中から、3~7コくらいに特化している人です。

一方で、「広く浅く型」は周りからの評価が高くなりがちな印象です。割とそつなくこなすタイプで、上記の例示の中から、7~20コくらいに特化している人です。当たり前ですが、全部に特化しているわけではありません。全部選ぶというのは、何も選んでいないのと同じです(誰かが言ってた名言)。

 

 意見

今回は以上となりますが、

研究を進めていく上で最も必要なスキルは、謙虚に「学ぶ姿勢」だと個人的には思っています。

「1~4の順に大切って言ったのに、3.の知識のところから一番大切なことを選んでくるとか、嘘じゃねーか」という文句が来そうですが、これはある程度の学問を進めてきた人にとってはもはや普通のことになっているから、前提が違います。

なので、もし、あなたに「常に学ぶ姿勢」がないと思うなら、これだけでも身につけていってもらえたら良いなと思います。

 

長くなりましたが、

 4つのどの力も、研究を続ける上で、永続的に学んでいく必要があります。

そうしなければ、「研究力」は成長していかないし、むしろ、退化します。

 

最後に、

4つの他にもあるだろー、などと思われた方はぜひ教えてください。

今後はこの4つのそれぞれをもっと深掘りした記事を発信していこうと思います。

リクエストなどありましたら、ぜひ教えていただけると幸いです。

 

長々と読んでいただき、ありがとうございます。

次回作にも、ご期待ください!